大学院理工学府 環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年 後藤悠太さんが第76回セメント技術大会優秀講演者賞を受賞しました
大学院理工学府 環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年 コンクリート工学研究室 後藤悠太さんが、第76回セメント技術大会において、優秀講演者賞を受賞しました。論文名は「高温環境下におけるポリマーセメントモルタルで補修されたRCはりの爆裂性状評価」です。
セメント技術大会は例年5月に約130件の研究発表があります。研究発表の内容は、セメント化学、建築、土木分野と多岐にわたり、約700名の研究者が参集し、活発な質疑応答が行われています。2002年から行っている優秀講演者表彰制度は、大会全体の活性化と若手研究者?技術者(35歳以下)の研究奨励を目的としており、①講演要旨のわかりやすさ、②プレゼン資料の表現、③発表の方法、④時間配分の適切さ、⑤発表時間、⑥質問に対する回答の的確さ、⑦発表態度、⑧研究内容のレベルについて審査を行い、特に優秀と認められた講演者に対し授与している。今年度は、選考対象97名のうち、15名を優秀講演者として表彰されました。後藤 悠太さんもそのうちの1名に選出されました。
後藤さんの研究概要は下記のとおりです。鉄筋コンクリート構造物(以下、RC構造物)の断面補修には、ポリマーセメントモルタル(以下、PCM)が用いられています。一方、PCMは火災時には爆裂を生じる危険性があり、対策が必要であるとの報告があります。著者らの研究グループでは、リング拘束供試体法を用いてPCMの爆裂評価を行っています。この中で、PCMの爆裂が発生しやすいこと、ナイロン繊維を混入することで爆裂が抑制できることを明らかにしています。加えて、普通コンクリート(以下、NSC)をPCMで補修したリング拘束供試体の加熱試験も実施しています。一方、補修したRC部材の加熱試験とリング拘束供試体法による爆裂試験結果の比較評価がなされていないのが現状でした。そこで、本研究ではRCはりをPCMで補修したケースを想定して、NSCにPCMを打ち重ねたRCはりを作製し、加熱試験を実施し爆裂性状を評価しました。その結果、PCMにナイロン繊維を混入したケースにおいて爆裂抑制効果を確認したことが高く評価されました。
関連する研究を後藤さんは進めており、今後の発展が期待されます。
詳細
大学院理工学府 環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年 後藤悠太さんが第76回セメント技術大会優秀講演者賞を受賞しました